8月29日(土)、TCU Shibuya PXU(東京都市大学渋谷パクス)にて、「新・星の会」第5回「X線で見るプラズマに満ちた宇宙」を開催しました。
本イベントは、かつて東急文化会館8階の天文博物館五島プラネタリウムにて多くの方々に親しまれていた「星の会」の理念に敬意を込めて、東京都市大学(学校法人五島育英会)が新たに企画したものです。「新・星の会」は、高校生以上の学生および一般の皆様を対象に、宇宙研究の第一線で世界的に活躍する天文学者・物理学者が登壇し、各分野の最新研究をわかりやすくご紹介する、全14回のシリーズイベントです。講義のあとには和やかな雰囲気の中で自由に質問できる時間を設け、第一線の研究者と直接対話できる貴重な場となっています。
第5回となる今回は、JAXA宇宙科学研究所の山崎 典子教授が登壇し、「X線で見るプラズマに満ちた宇宙」と題して講演しました。
山崎教授はまず、私たちの目に見える光だけでは捉えられない宇宙の姿を紹介し、宇宙の多くは高温のプラズマ状態にあり、X線観測によってその温度や成分、物質の状態を詳しく調べることができると解説しました。続いて、日本のX線観測衛星が「はくちょう」から最新の「XRISM(クリズム)」へと発展してきた歩みを振り返りながら、超新星残骸や銀河団の姿をとらえた観測結果を紹介しました。さらに、従来よりも高精度なX線観測によって宇宙の物質の動きや元素の生成過程に迫る研究と、その観測を支える最先端の検出器技術について解説しました。

質疑応答では、本イベントのコーディネーターを務める、東京都市大学 総合研究所 宇宙科学研究センター長/デザイン・データ科学部 教授の高橋 弘毅先生とともに、活発な意見交換が行われました。
参加者からは「XRISMの望遠鏡は、X線だと素通りしてしまうと思うのですが、どうやって焦点を合わせているのですか」「銀河団のガスの動きは、これまでの予想と違っていたのでしょうか」「現時点で、宇宙で一番熱い天体は何かわかっているのですか」といった素朴な疑問が次々と寄せられ、専門家との距離の近さを感じられる和やかな対話が続きました。

TCU Shibuya PXUでは、今後も新たな知見や交流の場を提供するイベントを企画してまいります。今後の展開にご期待ください。