「新・星の会」第1回を開催しました(6/22)

 6月22日(月)、TCU Shibuya PXU(東京都市大学渋谷パクス)にて、「新・星の会」第1回を開催しました。

 本イベントは、かつて東急文化会館8階の天文博物館五島プラネタリウムにて多くの方々に親しまれていた「星の会」の理念に敬意を込めて、東京都市大学(学校法人五島育英会)が新たに企画したものです。「新・星の会」は、高校生以上の学生および一般の皆様を対象に、宇宙研究の第一線で世界的に活躍する天文学者・物理学者が登壇し、各分野の最新研究をわかりやすくご紹介する、全14回のシリーズイベントです。講義のあとには和やかな雰囲気の中で自由に質問できる時間を設け、第一線の研究者と直接対話できる貴重な場となっています。

 第1回となる今回は、東京都市大学 総合研究所 宇宙科学研究センターの大橋 正健特任教授による講演「マルチメッセンジャー天文学に向けて」からスタートしました。
大橋教授は、まず「新・星の会」スタートの経緯を紹介したのち、本シリーズ全体を貫くテーマである「マルチメッセンジャー天文学」の概要を解説しました。
 電波や可視光、ガンマ線などの電磁波に加え、重力波やニュートリノといった異なるメッセンジャーを組み合わせて宇宙を観測する最先端の研究手法「マルチメッセンジャー天文学」は、2017年8月に連星中性子星の合体を重力波と電磁波でとらえた歴史的な出来事をきっかけに、一躍注目を集めました。

さらに、宇宙の加速膨張を引き起こすダークエネルギーをはじめとする宇宙の大きな謎にも触れ、私たちが宇宙について理解しているものは、全体のわずか10%にも満たないという事実を示しました。最後に、基礎科学とエンジニアリングの融合による新しいサイエンスの創出に向け、「新・星の会」が多くの人にとって新たな学びや出会いのきっかけとなることへの思いを語りました。

本イベントのコーディネーターを務める大橋 正健特任教授


 続いて登壇した、沖縄科学技術大学院大学の宮原 ひろ子准教授は、「変動する太陽と地球のつながりを探る」と題して講演を行いました。
 同講演では、「太陽とはどのような星か」「太陽の活動度の変化がもたらす影響」「太陽が地球の気候に及ぼす影響」の3点について、わかりやすく解説を行いました。宮原准教授は、太陽活動が約1か月、約11年、さらに数百年から数千年規模の周期で変動していることを紹介し、黒点観測や屋久杉の年輪、南極の氷に含まれる炭素14・ベリリウム10の分析から、その活動の歴史を読み解く研究について説明しました。また、太陽活動の低下と地球の寒冷化との関係や、太陽が雲の形成に影響を与えている可能性についても紹介しました。最後に、「太陽の雲への影響メカニズムが解明されれば、将来は太陽の状態から地球の天気予報ができるようになるかもしれない」と展望を語り、その研究の先には太陽系外惑星における生命探査への応用さえも見えてくると述べました。

宮原 ひろ子准教授による講演の様子

 質疑応答では、「月や火星の磁場と大気」「黒点と太陽活動の関係」「太陽研究の社会的意義」などについて、来場者から多彩な質問が寄せられました。宮原准教授は、月では大気の維持が難しいことや、黒点が増えると白斑も増えるため太陽全体はわずかに明るくなることをわかりやすく解説しました。また、将来的な自然エネルギーの発電予測への応用に加え、宇宙天気予報はすでに人工衛星の運用などに活用されていることを紹介しました。

会場の様子

TCU Shibuya PXUでは、今後も新たな知見や交流の場を提供するイベントを企画してまいります。今後の展開にご期待ください。

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