3月13日(金)、TCU Shibuya PXU(東京都市大学渋谷パクス)にて、SXトラック第4回セッション「住み続けられるまちづくり(経営編) 〜資本統合と好循環、地域づくりにおける金融の役割〜」を開催しました。
はじめに、本学の佐藤真久 学長補佐がオープニングトークを行い、SXトラック第4回セッションでは「資本統合と好循環、地域づくりにおける金融の役割」をテーマに、まちをひとつの“生態系(エコシステム)”として捉え、どのように資本を見つけ可視化し、それらの資本をつなげ、紡いでいけば「住み続けられるまち」になるのかを、金融機関の役割を軸として考えることによって探っていきたいと、本セッションの趣旨を説明しました。

専門家からの話題提供では、はじめに西武信用金庫の髙橋 一朗 氏が「新たな金融の役割」とのテーマで登壇しました。髙橋 氏は、丁寧なモノづくりや付加価値の創造に取り組む中小企業や地域における住民サービスを担うようなNPO・ソーシャルビジネスの支援にあたってきた西武信用金庫の歩みに触れつつ、人口減少が加速する今日における金融機関の役割とは、資本主義が取りこぼしてきた/いく人びとへの支援にあると述べ、協同組合と金融機関の役割を両立した信用金庫ならではの循環可能なビジネスモデルを紹介しました。

続いて、(株)クレアン 代表取締役社長/サステナビリティコンサルタントの冨田 洋史 氏が「情報開示からみる企業の在り方~消費から再生へ~」とのテーマで話題提供を行いました。冨田 氏は、今日において企業は財務情報のみならず、環境や社会といった非財務情報を踏まえて自社の価値創造や存在意義を考え、社会に示していくことが求められていると解説し、利益追求を第一とした経営スタイルから理想の追求と実現に取り組むビジネスモデルへのシフトが求められると述べました。

最後に、サステナブル・ラボ(株)代表取締役/(社)サステナビリティデータ標準化機構 代表理事の平瀬 錬司 氏が「住み続けられる街づくりを支える見えないインフラー地域の中核企業・金融機関・自治体・地元企業をつなぐサステナビリティ情報の最適解」とのテーマで登壇しました。平瀬 氏は、人口減少や多極分散化が進展し、大都市一極集中の経済から地域ごとのエコシステムへ移行していく今後の日本において、環境への配慮や人材育成、地域への貢献といったサステナビリティ情報(非財務情報)が企業や地域の評価軸となり得るものであり、サステナビリティ情報を標準化・可視化し、地域の未来をつくるための「インフラ」として位置付けていくことが肝要であると述べました。

その後の振り返りセッションでは、はじめに本学の鶴田 靖人特別教授からのコメントがあり、3名からの話題提供を通じて、企業の財務情報と非財務情報をまとめた統合報告書のゴールは価値創造にあることを改めて認識したと述べました。続けて、髙橋 氏・冨田 氏・平瀬 氏からの話題提供を受けて、参加者同士は自身が感じたことなどについて意見交換したほか、「永続的に続くことの価値は?」「優しい赤字企業は存続すべきか?」「中小企業の意識がサステナブルから遠い場合、どのように意識改革していくのがよいか?」「西武信用金庫における幸せとはなにか?」などさまざまな質問を登壇者に投げ掛けました。

振り返りセッションのまとめに際して、佐藤 学長補佐が登壇者3名に対して、本セッションにおいて「住み続けられるまちづくり」がどのような意味合いをもつのかと問いかけました。平瀬 氏は、その地域の生活者や中小企業、金融機関自身が取り組むということであると述べました。続いて冨田 氏は、まちが持つ価値をまちの人びと皆で考えるということであるとコメントしました。最後に髙橋 氏は、関係するひとりひとりが当事者として場面場面で何役もの力を発揮できる場とすることであると語りました。



クロージングでは、坂井 文 渋谷PXUセンター長から閉会の挨拶があり、本セッションの話に引きつけつつ、まさに渋谷PXUとは本学がイノベーションを生み出す共創の場として未来に「投資」をしている場であること、今後も公開講座やイベント、リカレントプログラム等を展開していくことを通じて、新たな価値を創造していくと所感を述べました。

プログラム終了後に実施したネットワーキングでは、参加者同士が交流を深めるとともに、“住み続けられるまちづくり”について意見交換しました。
TCU Shibuya PXUでは、今後も新たな知見や交流の場を提供するイベントを企画してまいります。今後の展開にご期待ください。